理想について

備忘録

君が死んだ日

犬が死にました 君が死んだのは、生まれ変わって、おしゃべりしたかったからでしょう ぼくは日本語しか使えなかったから 死に意味はあるのでしょう 友達が死にました 君が死んだのは、生まれ変わって、きれいな姿を見せるためでしょう ぼくは潔癖症だったか…

ドッペルゲンガー

俺の代わりに死んでくれ 俺の代わりに死んでくれ 俺は生きたい 俺は生きたい 早く出発しよう 秋なんて忘れさって 白い吐息とともに森をぬけ ついにはマフラーも捨ててしまったら 命あふれる丘の向こうで 光いっぱいの滝を見るのだ そう言われたから 死ぬこと…

宮崎駿『君たちはどう生きるか』解釈と感想

はじめに 作品テーマと解釈 物語の導入 母が死んだなら絵の具で描けばいい 殺生のない虚構世界、そこに「連れてこられた」ペリカンたち インコは地獄で金稼ぎ 黒幕・大叔父様 空から降ってきた虚構は、時の回廊で時空を超える 十三の積み木、継承か決別か 大…

東京三月

満員電車は凪どうぜん 東京、三月 わたしがひとり 東京は石の都だ コンクリイト コンクリイト こんくりいと 空間だけのこの街で 日向を呑むのはわたしだけ 耳食む風も 首行く雨も わたしにマフラー着せられない 竜宮城から帰るとき (いいやここさえ竜宮城な…

数学・物理学・経済学の学問的真理性について

物理学と経済学が真理の体系としてまったく異なったものであるということは自分の中ではあまりに自明であったが見るところ一般的にはそうでもなさそうなので,文章に残しておくことにした. 真偽の二元論からなる真理体系は「である(でない)」「ならば」の…

「(相互)理解」について

自分は人の前で建前だけで生きてきたこともあれば本音を晒したこともある(本音を晒せたのは超閉鎖的なTwitterアカウントだけであったが)。そして今思うのは本音を出すというのは私の場合根本的に不可能だということである。本音を吐露するとき、どうしよう…

「自然」に関する典型的な誤謬

ある程度客観的な言明をしたいと思っている場合、「自然」という言葉を少なくとも「人間の手の加わらない、そのもの本来のありのままの状態。天然。」すなわち「非人工的」の意味で使うべきではない。なぜなら、自然というラインは客観的でもなんでもなく、…

20210319

異性を好きになるということはどういうことだろうか。ポジティヴな感情で頭を埋め尽くすことなのだろうか。ネガティヴな感情を抑えることなのだろうか。ネガティヴな感情をポジティヴな感情で上書きすることなのだろうか。ネガティヴな感情を受け入れること…

もういっぱいあるけど

inspired by "One Last Kiss" 宇多田ヒカル 宇多田ヒカル One Last Kiss 歌詞 - 歌ネット 腐った月で身を清め 肉の為の水道水 聖なる黙示録神を焼く オートミールチョコレート 疲れぬ娯楽は虚無を呼び 鉛のカレーライス 血のワインを流し込む 喪失を忘れて …

太った海鼠

違和感。食道に住み着く例の海鼠は、私に一片の呼吸の余地しか与えない。 吐き気。嘔吐は決してないという確信は、一瞬の安寧と不快の永遠性を知らせる。 それは体の穴という穴から入ってきたミミズによって生まれた。口からも鼻からも耳からも目からも入っ…

世界

システム、結合 名を付ける。繋がりを与える。それを世界と呼ぶ。 芸術、それは世界。虚構ではない。 学問、それは世界。実在ではない。 俺の世界 美しい世界 芸術も学問もいらない世界 孤独な世界 僕の世界に君の世界 世界と世界、争いの原初。 歴史があま…

コロナウイルスはダブスタをあぶり出す試金石

序論 日本がコロナウイルスによるパンデミックに片足を突っ込んでいる今日、不謹慎ながら私は自由主義論争にかかわる重大な権利問題に取り組む絶好の機会であると考えている。もちろんこれは「感染が拡大すれば学問的に面白いのに」という話ではない。少なく…

『進撃の巨人』最終話までの道程考察

『進撃の巨人』 今後の展開 下書きが全消しされてガン萎えしたので文章は雑、推敲はなし、根拠はかなり省略して書いている。もっと言うと自分の考察を残したいという意図、そしてあわよくば的中を自慢しようという思いで書いているので人に見てもらうという…

【大学数学】第一回 ルベーグ積分狩り講座 -Lebesgue積分のアイデア-

本記事では多くの数学徒が苦戦する(と思われる)ルベーグ積分について解説する。 本講座は一貫して伊藤清三『ルベーグ積分入門』に準拠している。 【本記事の概略】 ルベーグ積分のコンセプトの説明とリーマン積分との比較だけ行う。 測度論についての具体的…